2021年2月6日土曜日

☆画家・松田正平さんの評伝が出版されました


 「線が命 、線が引けたら絵は大したもの」など多くの明言を残し、また絵手紙人にはファンが多い画家・松田正平さんの評伝が発行されました。安井雄一郎著「松田正平 飄逸の画家」(みすず書房刊)。著者の安井さんは、松田正平さんの郷里でもある山口県の県立美術館で学芸業務に就き、初の回顧展の企画を担当された方です。

☆タイトルの「飄逸」とは、「世の中のことを気にぜず、のんきなさま」と辞書にはありますが、ひたすら絵筆とともに生涯をおくった画家。著者は本文でこの生き方を「己が信じる油絵を求めて画事以外のなにものも打ち捨ててきた画家自身のいま述べてきたような生活姿勢に起因するものだったのである」と書かれています。


☆本書の帯文もいい。「松田さんは存在そのももが芸術だった。芸術が山口訛りでとつとつと語っていたり、あるいは芸術が黙々と絵を描いていた――ほんとうに美しい人だった」。正平さんファンでもある山田洋次監督の言葉です。

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