2021年11月27日土曜日

☆東京・狛江駅前に新たな巨大絵手紙が

☆11月23日、東京・狛江市の狛江駅前広場に、絵手紙作家の小池邦夫氏による巨大絵手紙を掲示する除幕式が行われた。昨年の市政50周年には巨大絵手紙をリニューアル。今回は通算3枚目となる。

☆巨大絵手紙に添えられた絵は両手に扇子をもった人形に「心よおどれ おどれ 手よ おどれ」の言葉。新たな狛江市の絵手紙文のシンボルが加わった。


☆また、市役所内にはミニギャラリー 「小池邦夫の絵手紙世界」が設置されたほか、市内7つの郵便局前のポストには「絵手紙発祥の地・実行委員」による絵手紙シールが貼られるなど、さらに充実した市内まるごと美術館に。



中央に小池邦夫氏、右が松原俊雄狛江市長、左が谷田部一之狛江市議会議長


市役所内のミニギャラリー 「小池邦夫の絵手紙世界」


市内7つの郵便局の前のポストに貼られた絵手紙の様子(パネル)






狛江駅構内の絵手紙の数々



2021年11月20日土曜日

☆生誕200年 三輪田米山展 ~天真自在の書~ 開催中

 ☆「伊予の国には、未来を酔わせる書の神様がいました」――現在、愛媛県美術館で開催中での「生誕200年 三輪田米山展」は見逃せない展示だ。

☆三輪田米山(1821-1908)については「月刊絵手紙」4月号から9月号まで同美術館の長井健学芸員が連載していたが、紹介されていた本物は実にいい。


☆天真自在とは、自然のままで飾り気のない、心のままであることだが、三輪田米山の素顔を知ることになった展覧会。同展は11月30日まで。










2021年11月14日日曜日

☆見逃せない日本民藝館「棟方志功と東北の民藝」

 ☆「月刊絵手紙」11月号の白土慎太郎日本民藝館学芸員の連載「柳宗悦の眼に学ぶ」に紹介されていた「虎か獅子か」の水滴にとても惹かれた。そんなこともあって、久しぶりに日本民藝館に出かけてみた。現在開催中の展示は「棟方志功と東北の民藝」。今年は東日本大震災から10年。同館2階の新装されたホールには、棟方志功が「東北の地に幸あれ」と願い制作した『東北経鬼門譜』。版木120枚を使用した10メートルにも及ぶ大作は圧巻。館内各所に展示された志功の書や倭画にも元気をもらう。

 

☆一方、柳宗悦らが東北各地で蒐集した「東北の民藝」も実に素晴らしい。志功を育んだ東北はまさに民藝の宝庫を実感させてくれる。「民窯の陶器、簑・けら・背中当などの編組品、こぎん・菱刺し・被衣(かつぎ)などの染織品、樺細工や漆工品といった、丹念な手技による手仕事の数々」は、想いが込められものばかりで心に迫ってくる。

 

☆併設の「愛知・岐阜の焼物」「中国の造形」「東北の仕事着」「胸肩井戸と朝鮮陶磁器」「海東硯」「版と型の絵」「自在鉤と湯釜」の展示もいいですよ。もちろん、あの水滴もありました。ちょうど西館(旧柳宗悦邸)も開館されていた日にぶつかって観ることができてラッキー。この企画展は1123日(火・祝)まで。東京・竹橋の東京国立近代美術館で開催中の「民藝の100年」(2022213日まで)にも出かけてみよう。








2021年11月6日土曜日

☆第56回全国切手展 JAPEX2021開催

☆東京都立産業貿易センター台東館6・7階で、11月7日まで「第56回全国切手展 JAPEX2021」が開催中だ。11月5日にはステージイベントのうち、郵政博物館副館長の井村恵美さんによる「手彫切手とその時代展 開館120年を迎える郵政博物館の秘蔵資料」と題した企画出品記念講演。明治時代の「〒」を配した黒と赤の雨合羽を羽織っての登場。とてもモダンなデザインで目を引く。講演内容は、郵政博物館の沿革、切手製作の現場だった博物館、手彫切手時代の資料と博物館、そして樋畑正太郎の存在というもの。今回展示の「郵便創業150年 手彫切手とその時代」展の解説もまじえてわかりやすく解説。

☆11月6日には、出版記念講演「切手でたどる郵便創業150年の歴史vol.2 戦後編」と題した郵便学者の内藤陽介さんの講演(=写真参照)。戦後最初の普通切手「山下白雨」(1946年)から1952年の「航空切手」まで。切手が「ゼロつきからゼロなしへとなった」のは、「占領期と講話独立後の時代の分水嶺を象徴する現象」など、戦後の時代背景や転換期も交えたトーク。


☆また同日には、切手デザイナートーク「切手のウラ側~2021年の切手から~」と題して日本郵便(株)玉木明さんが講演。手がけた切手のうち、切手趣味週間(郵便創業150年)と、日本郵便とラ・ポスト共同記念切手、海洋研究開発機構(JAMSTEC)創立50周年切手の制作の舞台裏は、企画から発行に至る苦労とデザインの素晴らしさも伝ってくる講演。最終日には「JAPEX2021表彰式」のほか、郵便学者の内藤陽介さんの出版記念講演「アフガニスタン現代史」と題した講演も開催される。







☆「月刊絵手紙」10月号の感想から

☆平櫛田中さんが100歳で手に入れた彫刻用の木材のクスノキ、あらゆる可能性が秘められていて、とても勇気をもらいました。/谷中小学校卒業生で「いまやらねば……」の額が掲げてあるそうです。住まいは桜木町で今は子孫が住んでいるとのこと。高村光雲の子孫も千駄木に住んでおり、小説を読んでもこの辺の町がよく書いてあります。身近にいろいろつながっていることに、親しみを感じ歴史の深さに学ばされます。

☆月に1度は国立劇場に行っていたが、「鏡獅子」が田中作と10月号で知った。目習いの機会があったにもかかわらず、意識が薄かったために目こぼしが多かった。もったいないかぎり。月刊誌を通じて今までに知らなかった多くの作家や作品にめぐりあえた。これからはもっと意識をして、いいものにふれ、感性を刺激できればさらに楽しく響いてくると思います。/田中さんと言えば必ずこのクスノキ。この木をじっと見ていると、何かを語りかけているような気がします。田中さんに彫ってもらいたいのを今も待ちわびているようです。田中さんは毎日この木を見ながらいろいろな構想を練っていたんでしょうね。


☆「92歳、心に素直に」がよかった。「70代は第二の青春、好きなことをやりなさい。責任を果たしてきたんだから不良老人になって大丈夫よ」の言葉が響きました。92歳の方が講師をしているなんて素晴らしい! 私も不良婆さんになってみよう、絵手紙をヘタなりに続けていこうと思う。


☆藤原英子先生の「目習いの力」は参考になりました。本当は,絵なんて観ても何もわかりません。わからなくても見続けていれば、少しは何とかなるかもしれないと、思えてきました。/「一語一絵」の「湧」文章を読むとやさしい身持ちになれました。/陶芸家・河井寛次郎が好んで使っていた「眼で聴き、耳で視る」の言葉が心に残りました。何もできない自分、人のお世話で生かされている自分、忘れていた自分の中の、守ってくださる、教えてくださっている「おかげさま」に気づかされました。









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