2022年10月8日土曜日

「月刊絵手紙」8・9月号の感想から

 8月号「緒形幹太の世界」の感想から

☆幹太さんからチーへの手紙・若山富三郎さんとの共演芝居の手紙が面白い。若山先生(なぜか若山さんのことは誰も先生という)とは飲料の広告出演で数年間おつきあいさせていただきました。若山先生は芝居制作の段取りなど熟知した鋭くきびしい俳優であり、プロデューサーでした。全体を考えた上でのダメ出しを演者を越えて出すことがありました。緒形拳さんとも短い期間でしたが、ウイスキーの広告出演でおつきあいがあり、とても人の気持ちを大切にするやさしいおもいやりのある俳優だと思いました。このお二人のぶつかり合いがいろいろ想像できてとても懐かしい気持ちになりました。緒形さん、とても大変だったとお察しいたします。


☆幹太さんが書家だとはしりませんでした。初めて書を見せていただき、「山」の字は好きです。太くて力強いて素敵。これからも緒形幹太さんを見守っていきたいです。/「チャンスは自らそれを強く求める者のみ訪れる」とてもよい言葉です。すべてが父の拳さんに繋がっているような気がする。「字を書くのが楽しくて仕方ない」。とても素敵な生き方をされていると思います。」

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▽「月刊絵手紙」9月号「立原道造の世界」の感想から

☆立原道造の手紙=現代における通信手段はLINEやSNSが大半です。すぐに自分の気持ちが伝えられますが、婚約アサイさんに会いたいから書く心がいつまでも残っているような気がします。お世話になった方々に連絡をとりたいと思いましたが、電話でなく、手紙を書きました。/一度は通る立原道造。アサイへの手紙でよくわかる、昭和初期の恋人たち。待つことやあいまいな約束があたりまえであり、楽しみでもあった。そんな中で出来上がっている付き合い方のルールに二人の楽しさが伝わってくる。今、こんなにはっきりしない付き合いはゴメンなさいだ。50年は生きてほしかった。


☆立原さんのやさしい字や相手を思う言葉がよかった。そして「先輩や友人との交友や付き合いを大切にし、書簡によって語りかけ、ひいてはそのように書簡を書くことによって自分の中の印象や考えを固め、昇華させ、新聞なり詩をつくるスケッチの役をはたさせていた」。この文章を読み、あーそうだなと思った。/交際して初めて婚約者アサイに送った4枚におよぶ信濃追分の旅への手紙「あいたい、会いたい」とつのる思い。受け取ったアサイの嬉しくてあわてて便せんをギザギザにしてしまった。ペーパーナイフで開ければと後悔する」「ちょっとだけ会えれば、それでいい」。彼女は何度も読み返す。ウキウキした気持ちが伝わってくる。













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